『Start me up』

きっとこのCDを初めて手に取ったのは2005年5月に渋谷のタワーレコードで、家に帰ってスピーカーから流れるその曲たちに衝撃を受けて、それからあわててリリース済のCDを全部買って、ワンマンやらフェスやら色んなところで彼らを見て、いつもテンション上がる時間を俺にくれた。
自らをロックスターとか言う不敵な彼は、確か俺と同い年で、いつもステージ上ではちゃめちゃに輝いている彼を見ながら、俺はいつもそんな彼がうらやましくて嫉妬していた。嫉妬していたけど、憧れでもあった。俺は彼みたいにはなれないし、そもそも生きている場所が違うわけだし、でも、彼を見て自分も恥ずかしくない人生を送らないといけないななんて、いっつもライブの帰りは考えたりしていた。だから、なんかの時はいつも彼らのCDを聴いてパワーをもらった。ライブの時は、あきらかに自分より若い連中に混じって、ロックスターと同世代の俺が一番盛り上がらないと嘘だろうって、フロントに行って周りのキッズたちを扇動していた。彼は俺のすぐ近くまで来たけど、それでもものすごく遠い存在だったし、物理的にどんなに近づいても憧れだった。
彼らは2年ぐらい前から少し迷走していたように思う。俺も結婚した2009年ぐらいからは、ライブで彼らを見る機会がなくなった。リリースされたCDを聴いても、以前ほどの高揚感が無くなって、少しづつ彼らの音楽とも遠ざかっていたように思う。それでも、時に自分のプレイリストから不意に流れてくる彼らの曲は、俺にとって大事な時間の記憶だったように思う。

2012年1月28日、DOPING PANDAの解散が発表された。
ちょっとぐらい離れていても、やっぱり彼らの鳴らすメロディが恋しくて、4/19の解散ライブに行きます。


公式発表
DOPING PANDAが4月で解散
たろてぃより
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