『目が明く藍色』

ついにサカナクション幕張メッセでワンマンやってしまうバンドになりました。っていうか、この成長のスピード感は驚異的です。アングラな雰囲気を漂わせながら、日本人に受け入れられやすい四つ打ちメロディを基調にした曲を多く作り、いつの間にかメジャーなバンドになっていた彼ら。今日のライブというのは、ある意味で彼らにとっての節目になったかもしれないと思っています。

今回は、当然アルバム『DocumentaLy』を中心とした選曲。しかし、彼らはアッパーなシングル曲を連発していて、どれもはずれなしなため、時間はあっという間に流れていきました。本編が『アイデンティティ』→『ドキュメント』で終了したとき、今日は『GO TO THE FUTURE』と『NIGHT FISHING』の曲やってねーのなってことに気づきました。アンコール一発目でかろうじて『三日月サンセット』が流れたため、なんとか彼らのキャリアの1、2枚目のアルバムから1曲だけは演奏されました。
DocumentaLy』でオリジナルアルバムが5枚目という、成長のスピードだけでなくリリーススピードも驚異的なバンドであるサカナクション、昔(と言ってもここ数年ですが)の曲が「消費」されていくのは少し寂しく、生まれてくる曲たちに対する楽しみや喜びと同時に、少しだけ山口君マイペースになってもいいんじゃないかなーと考えていました。何か生き急いでいるような感じさえ受けてしまいます。
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とは言いつつも、最後の『目が明く藍色』は感動的でした。山口君が2011年という年にアルバムを出す意味について語っていました。2011年ってどういう年だったのか、私たちがじじいになっても色々な人から問われるこの特別な一年、そしてその年に出すアルバム、それだけのプレッシャーを以てサカナクションは『DocumentaLy』をリリースし幕張メッセでライブをやったのでした。最後の『目が明く藍色』を聴きながら山口君の言葉や色々なことに感じ入ってすごく感動的な瞬間でした。
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追記:ナタリー:サカナクション、2万人陶酔の「DocumentaLy」再現ライブ