『ソラニン』

今回のロッキンのアジカンは感情的に待望していました。アジカン自体を久々に見るということもありましたが、やはりボーカル後藤さんの震災後の活動や残している文章を見ていて、この人はほかのアーティストたちよりも色々なことを考えて活動を続けているなーと感じていたからです。そして、このひたちなかに出演するのもきっとそんな気持ちから彼は決心したんだろうと考えていました。そんな中、フェス開催の数日前に彼が日記を更新しました。
ROCK IN JAPAN FES.出演に寄せて
ショックでした。放射線のことや子供のことを考えていないわけではなかったのですが、熟慮の末こうやって批判を覚悟で自らの考えを表現している彼を見て、単純に子供を連れて初めてフェスに行けるんだなんて浮かれていた自分が恥ずかしくなりました。そうして、自分自身も数日間色々と勉強したり葛藤しながら、やはり家族3人でひたちなかに行くことに決めたのです。それは彼ほど考えてないし知識もない、でも、決めました。色々な覚悟を持って。
当日の演奏は神々しかったです。セットリストはいつにも増して「大衆」を意識していたように思いましたが、そこに『君の街まで』が入っていたことに、何か感慨深かったです。この曲は私が初めてアジカンを見た2004年のJAPAN FES.以来、生で聴いたことがありません。それほどライブではレアな曲です。しかしながらその歌詞は、伸びやかな疾走感に満ちていて、東北にいるみんなのために歌ったような歌詞だと以前から思っていました。彼らがそんな風に考えていたのかどうかは知りませんが、因果を感じずにはいられなかったのです。
そして、やはりこの日は『ソラニン』が響きました。『ソラニン』はまだライブも歌もよくわかっていない1歳半の娘と一緒に一番聴きたかった曲です。彼女がこの世に生を受けて一生懸命成長しようとしていた最初の4ヶ月ぐらい、私はほとんど彼女と時間を共にできませんでした。私は、社会人生活で一番の激務のさ中押しつぶされそうになるプレッシャーや折れそうになる精神状態の中で、この曲を糧に毎日を過ごしていたのです。そんな中嫁さんがこの曲を毎日娘に聴かせていたと知って、この曲で俺たち家族はつながっていたんだなーと感じていた一曲だったのです。だからそんな『ソラニン』をひたちなかで聴けたことに感謝しています。


66回目の広島原爆の日に
HOPE
MUSIC
LOVE
LIFE
THINK
CAUTION
NO NUKES
未来について考えよう


アジカンの演奏前、アンコール前、終演後に上のメッセージがビジョンに映し出されました。これだけメッセージ色の強いことをやるのは、彼らほどの影響力のあるロックバンドだと批判も受けるとは思いますが、甘んじてそれをやったアジカンの覚悟に脱帽です。今回のライブは初めて見た2004年RIJFのときよりもインパクトが強かったかも知れません。
そして、私はこれからもアジカンを聴き続けるのだと思います。

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映画『ソラニン』で種田役だった高良健吾君も行ったみたいです。当然アジカン見たよね。
ソラニン